『凡人か!』そうや、みんな凡人や。│[小説]円卓/西加奈子さん
「サラバ!」で直木賞を受賞、このごろはメディアにもちょくちょく出演されていて、ノリノリの西加奈子さん。
読みたいな〜と思いながらも作品が沢山あるので迷っていたら、西加奈子さんならこれがおすすめ!と友達に教えてもらったのがこの作品です。
読みたいな〜と思いながらも作品が沢山あるので迷っていたら、西加奈子さんならこれがおすすめ!と友達に教えてもらったのがこの作品です。
公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。(Amazonより)
誰もが経験した1年間の、忘れかけていた気持ちを思い出す
ひと言で言えば、「懐かしい。」そんな1冊でした。
主人公は小学3年生の女の子、こっこ。口癖は『凡人か!』
「普通じゃないこと」に憧れながら、「普通」な自分が嫌。
普通じゃない友達が羨ましくて、妙な行動をとってしまうこっこのことを、周りの大人は表立って矯正しようとすることもなく、見守る。そして友人たちは、こっこを見守りながらも議論を交わす。
理屈っぽくて、へそ曲がりなところもあって、決して「可愛げのある女の子」ではないこっこですが、読み終わる頃には何故かみんなこっこのことが好きになっているはずです。だってこっこの気持ちに一つも共感しない人なんていないと思うから。この小説で描かれているのは「小学3年生」の子どもたち。「中学年」なんて呼ばれる微妙な年齢の子どもたちの言動、行動、思考は、忘れかけていただけで誰もが経験したことのあるものではないかと思います。
とにかく西さんは優しい
全体を通して、作者の西さんの優しさがにじみ出ているなあと感じました。関西弁の会話もあったかい。クラスメイトの設定も、いわゆる「一般的な人」だけじゃなくて、みんなキャラが立っていて面白い。
ドキドキハラハラするストーリーではないけれど、懐かしく、愛おしい気持ちになれるストーリーです。
映画版もあり
私は観ていない(というか映画があることをブログを書きながら知った)のですが、芦田愛菜ちゃん主演で映画化されているようです。愛菜ちゃんがリアルに小3の時に撮影されたとのこと。評判も上々でしたので、こちらも合わせておすすめしておきます。
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